'12 一切経〜中大巓〜谷地平  ('12/7/29)         使用カメラ:K-5(Pentax)

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 3:30浄土平-4:30一切経山-6:30烏帽子岳-8:30東大巓-10:30人形石-10:40大凹-12:15東大巓分岐-14:20谷地平-16:00姥ヶ原-16:40浄土平


吾妻連峰は懐が深く、お気に入りの山域である。一切経〜東大巓に至る主稜線から谷地平を経由して浄土平を巡るこのコースは、昨年ハイキング気分で足を踏み入れてキツイ想いをしている。それでも変化にとんだ湿原の景色に感銘を受け、再度チャレンジすることにした。できれば西吾妻まで足を延ばしたいと、前夜早めに到着し、朝早くに起床する。
朝3時過ぎに、星空の撮影を試みたが薄雲が出てきて断念し、そのまま一切経に向けてスタート。山頂を越え、滑りやすい砂礫の中に鎮座する大岩の上で、魔女の瞳を眺めながらの朝食を取る。家形山への樹林帯から暫くは藪漕ぎの連続であるが、先日の苗場山での酷い藪漕ぎのおかげで大した苦痛も感じず、朝露に濡れた笹薮で顔を洗いながら順調に進んでいく。緩やかなアップダウンを繰り返し、五色沼から1時間半ほどで烏帽子山に着く。鬱蒼とした樹林と笹の海から突如抜け出て、眼下に広がる広大な樹林と雄大な山の眺めは感動的ですらある。ゴーロを渡りながら下り、再び樹林帯を歩いた後、徐々に道が開けて谷地平への分岐に出た。

前回は東大巓で引き返したが、今回は10時半で折り返すと決めて、西吾妻に向けて行けるところまで行って見ることにする。ここから先は高層湿原のオンパレードである。この季節はワタスゲがフワフワと風に遊び、チングルマの穂が回り、キンコウカが湿原を黄色く染めている。リンドウのブーケもあちこちに点在している。湿原を貫く木道が果てしなく続き、なだらかで歩きやすい道である。途中、突如としてウサギが私のすぐ横(50pもなかったと思う)を後ろから抜き去っていった。大胆不敵なウサギである。藤十郎あたりから急に人が増えてくる。人形石を越え、大凹のあたりでタイムアップ。「西吾妻まで1.2km」の看板を前にUターンした。

東大巓の先の分岐に戻り、そこから今度は谷地平に向けて藪漕ぎを再開する。徐々に道が良くなってきたと油断したところでU字の谷を下っていくと道を塞ぐ枝が増えてきた。そういえば暫く赤テープも見かけておらず、道を間違えたことに気が付く。戻ろうかとも思ったが、川まで下ってしまえば湿原まで迷うこともなさそうである。まあ、いけるところまで行って見ようと枯れ谷を下り、川に合流したところから水の中を暫くジャバジャバと歩いていくと眼下に落差10mぐらいの滝が・・。
これはまずいと、木の根や枝にしがみつきながら横の斜面を登り、高巻きをしようとしたが川沿いの斜面を下るのは急すぎて無理。暫く藪をかき分けてさらに登っていくと、あっけなく本来の道に戻った。

谷地平は四方を山に囲まれた広くて気持ちの良い湿原である。きれいな木道が整備されているが誰も居ない。贅沢にも広い湿原を独り占め。濡れた靴下を絞り、しばらくのんびりしてから姥ヶ原へと向かった。

姥ヶ原への登り道は、登れども登れども坂道が尽きない。ほぼコースタイム通りにきっちり1時間登り続けて、ようやく姥ヶ原にたどりつく。ここから先は良く整備された歩きやすい道である。一切経山の噴煙を見ながら浄土平へと下り、長い山行を終えた。

   
       

 

 

 

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